時々手に取って、読んでみてください。
もう一度物理が好きになれます。
1. その本の裏表紙のあらすじと帯を書く気になっての、のめり込み紹介
「私は日本に魅せられています」と口にした歴史上最高の物理学者、
———アルバート・アインシュタイン。
彼が評価されているのは、何も相対性理論を発表したからだけではない。
皆がアインシュタインについて語るとき、いつも必ず、彼の心の話になった。
アインシュタインは、とても優しい物理学者だ。
2. 誰が書いたどんな本なのかのザックリ紹介
“クオリア”で有名な茂木健一郎さんの書いた、アインシュタインの伝記本です。
アインシュタインが子どものころ、お父さんからもらった方位磁針を見て、
「どうして針は、いつも同じ方角を指すのだろう」
と、考えていたといいます。
この時、アインシュタインが疑問に思っていたのは、『どうして誰も触っていないのに、磁石の針はひとりでに回るのか』ということ。
地球は磁石だというけれど、磁力という力はどうやって、方位磁針に伝わったのか。
この本の題名は、『好奇心からすべて始まる』
アインシュタインは、5歳の時にもらったこの方位磁針の疑問をずっと、ずっとずっと考え続けて、相対性理論を発表しました。
好きなことをつらぬいて、友だちを大切にして、エリートではなかったけれど、『ちょっと変な自分』を楽しんだ。
のちにノーベル賞を受賞して、死ぬまでずっと、平和のために努力した人。
3. 全体の本の中で、この本がどんな立ち位置にいるのか
小難しい物理の話は一切なし。
頭は痛くならないのに、しっかり物理に浸れる本。
———PHP研究所の『偉人のことばシリーズ』
この本は、いわゆる児童書です。
しかし、大人が読んでも十分に面白い本なんです。
むしろ、大人こそ読むべきだと声を大にしたいところ。
何故なら、社会出た我々大人たちの心は、もうズタボロだからです。
昔を懐かしむ事は出来ても、昔の感性は忘れてしまった。
そういう人にこそオススメしたい本なのですが、その理由は『アインシュタインがずっと、子どもの心を忘れなかった人』だから。
だからだと思います。アインシュタインの一生の物語を読んで、私は何度も泣きました。
ぼくが、ずっと昔においてきたモノを、最期まで持ち続けた人がいたんだって、そういうのに気付かされたんだと思います。
4. コレを読み終えた時、あなたはこんな風になっている
茂木健一郎さんの優しい語り口調は、なんかすごくアインシュタインみたいな感じで。
そんな優しい本を読んでいると、小学生に戻ったみたいで……
小学生のころ。
布団に入って、隣でお父さんに読み聞かせてもらっているような気分になった本でした。
5. 個人的なおすすめポイント
個人的なおすすめエピソードは、『近所の女の子に算数の問題を教えるお話し』です。
彼女のお母さんがビックリして、アインシュタインに「とんだお邪魔をしました」と謝罪したのですが、アインシュタインはそれに首を振ったのです。
「あなたのお子さんが私から学んだ分だけ、私もお子さんから学んでいるんですから」
6. 最後に一言
たぶん、ぼくはこれからもこの本を読み返すと思います。
嫌なことがあった時とか、物理の数式を見るのがイヤだなと思った時なんかにも。
元気をくれるわけじゃないけど、優しい気持ちなれる本だと思います。
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