物理学史を一気におさらい! 【12歳の少年が書いた量子力学の教科書】

1. 物理学史をいっきにおさらい!

古代ギリシアに始まった自然哲学は、四大元素説・五大元素説をへて物理学へと受け継がれ、原子論を経由してアインシュタインへと到達する。

彼が1905年に打ち立てた論文の一つ“ブラウン運動”によって原子の存在を証明したことで、ここから世界が一変する———

「量子力学ってなんなの?」という疑問を持ったとき、最もおすすめの勉強方法は『物理学史のおさらいをすること』だったりします。

何故なら、量子力学を理解している人なんてこの世に一人もいないからです。

有名な物理学者、リチャード・ファインマンは言いました。

「量子力学を理解している人間なんて、一人もいないと言っても過言ではないだろう」と。

どれだけ勉強しても、最終的に「なんのこっちゃ?」になるのが量子力学なら……

あの当時、量子力学を切り拓いた人たちが何を思って物理学に打ち込んだのかを考えるのが、意外と近道な気も……しませんか?

2. 12歳の少年が書いた本!

この本の著者、近藤龍一さんは10歳の頃には天文学から歴史・医学・経済学の本まで、年間3000冊もの本を読み、12歳で専門分野を量子力学だと決めて本まで出したすごい人です。

読んでいる最中は、この本の著者が12歳であることなんて忘れてしまうこと請け合いです。

実際に僕も、本を読み終えて表紙を見るまで忘れていましたし、何より説明がわかりやすくて一気読みでした。

3. 一番欲しかった本を目指して

近藤龍一さんは、独学で量子力学を勉強している時に、“ある問題”にぶち当たりました。

それが『物理学の本が、急に難しくなり過ぎる問題』です。

物理学(特に量子力学)の入門書はとても優しく、(入門書なので当然ですが)わかりやすさに全振りしています。

そこから一歩進んで、本格的に物理学(量子力学)を勉強しようとし始めた時、目に映るのは難しすぎる専門書のみ……。

『入門書は簡単すぎて、専門書は難しすぎる』という感じになってしまいます。

だからこそ、そのギャップを埋めるべく書かれたのが、まさにこの本。

入門書を読み終えた人が書店の本棚を見渡した時、ちょうど手に取れる位置にいる。

———そんな本を、目指されたそうなのです。

4. この本だけでは、量子力学は理解できない

この本だけで、量子力学のことが分かるようにはなったりしません。

……でも、ちょっとだけ。量子力学の式が身近になります。

入門書では数式を端折って、名前だけで済まされていたアレやコレやに、心当たりがあると思います。

この本では、そこにそっと数式を置いてくれているのです。だから読み飛ばしでも大丈夫。

数式を全部読み飛ばしでも意味は分かるし、最後までストレスなく読める。そうして、“形だけ”覚えてください。

「シュレーディンガー方程式はシュッとしてるな」とか、

「不確定性原理の式は何かアレだな」とか。

そんなことを考えるだけで、ちょっとだけ式と仲良くなれる気がしますから。

5. 個人的なおすすめポイント

物理学者がどんな人で、何故その式を導き出そうとしたのかが分かることです。

物理学の専門書というと、論理展開についてカッチリと書かれているイメージはないでしょうか。

でもこの本は、『シュレーディンガーの試行錯誤』や、『ディラックがどういう人だったのか』などの“ストーリー”を覗かせてくれるので、とても面白いというのがポイントです。

僕のように趣味で物理を勉強したい人間にとって、この“ストーリー”はとても面白かったです。

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